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成人の日になると、鮮やかな着物で街が華やかになりますね。さてその成人式はいつぐらいから始まったものなのでしょうか。こちらでは成人式の歴史から、振袖を着る様になった由来などを解説していきたいと思います。
成人式の起源は奈良時代まで、さかのぼります。男子は元服(げんぷく)といって、服や髪を大人の物にし、名前も幼名から改めたといいます。そして女子は裳着(もぎ)といって、裳(も)という袴(はかま)に似た衣装を身に付け、成人した事を示す通過儀礼が行われていました。
この様に歴史を紐解くと成人式は、奈良時代から行われていました。元服(げんぷく)や裳着(もぎ)といった形で行われる成人式は、もともとは上流階級のものであった様です。一般庶民の成人式は「鹿を仕留めることができるようになったら」とか「俵を運べるようになったら」など、その地域ごとに色々な成人式の形があります。
なお、各地域の中でも多くみられる成人式は、13歳位で行う褌祝(ふんどしいわい)という行事だと言われています。こちらは、親戚の女性から贈られた褌(ふんどし)を成人した男子が身につけるという行事です。
成人式というのは、このように形が違っても昔から行われていました。現在のように新成人が一堂に集うようになったのは、1949年に埼玉県蕨市で行われた「青年祭」が最初だといわれています。※1
※1参照元:スタジオマリオ_成人式の由来と歴史、現在の成人式について(https://www.studio-mario.jp/event/comingofage/article/004/)
着物には「振袖」の他に「付け下げ」「留袖」「訪問着」と色々な種類があります。中でも若い未婚女性が着る着物の中で、格式が高い礼装は「振袖」です。そして冠婚葬祭の中でも成人式は、冠の行事に当たります。その意味からも成人式というセレモニーの場に、振袖を着るというのは礼儀といえます。
未婚の若い女性が着る着物で、格式が高いと言われている礼服が振袖です。振袖といえば長い袖が特徴的です。そして振袖のもう一つの大きな特徴として挙げられるのが「絵羽模様」です。これは着物を広げた時に、一つの続き絵になる様に、美しい鳥や花などが色彩豊かに描かれています。
この「絵羽模様」には、長寿を意味する鶴や亀、そして縁起の良い松竹梅などの植物が多くあしらわれています。この縁起の良い「絵羽模様」の振袖を身につける事が、お祝いの場にふさわしい服装となりえるのです。
昔から女性の厄年は、19歳 33歳 37歳61歳と言われています。この時期は体に変化が訪れ、環境的にも大きな転換期を迎える時期でもあります。そして厄年前後の歳も前厄(まえやく)後厄(あとやく)と言って、注意して過ごすと良い時期だと言われています。
神社では「魂振り」(たまふり)といって、玉串を振って厄を払い清めます。昔から振るという行為は、厄を落とすものと言われてきました。長い袖を振る事で、厄を除けるという意味が込められているのです。
これまで述べてきた様に、厄年に近い転換期である成人式に、振袖を着るのはとても理にかなっていると言えるでしょう。