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補正タオルを何に使うのか、と思っている方もいるかもしれません。タオルは体の凹凸を整え、フラットな状態に体型補正するために使用する画期的なアイテムです。
体の線に沿う形をしている洋服とは異なり、着物は直線的に作られており、着物に合うように体型を補正しなければなりません。そのため、女性らしい体のシルエットのままでは、着物を着た時にシワが入り、着崩れの原因になってしまうのです。
着崩れ防止のために、胸やウエスト、みぞおちなど体型に合わせてタオルを使用し、補正します。この補正が着物を着た時の美しさを左右すると言っても過言ではありません。
「タオルが必要なことはわかったけれど、どのようなタオルを使用すればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。ここからは振袖の着付けで使用するタオルについて解説します。
タオルの大きさは小さすぎず、大きすぎないフェイスタオルがベストです。ハンカチのような小さいサイズでは、短すぎてウエストに巻くために使用できなかったり、バスタオルのような大きいサイズでは、長すぎて使用した時に太って見えてしまったりします。そのため、フェイスタオルのサイズがベストです。
厚さについても、分厚すぎない薄手のものを用意してください。贈答品でもらうようなタオルは厚すぎるので、景品や粗品でもらえるようなフェイスタオルがいいでしょう。
厚すぎると微調整がしにくく、薄すぎると何枚も使用することになります。マイクロファイバー素材のタオルは、使用すると紐が埋もれてしまうため、避けましょう。
着物の下に使用するぶん、直接見えることはないため、基本的には色や柄について心配する必要はありません。
ただ、万が一のことを考えて白色無地を指定される場合もあります。汗や汚れが目立ちやすいというメリットも白色ならではです。使い古したタオルでも問題ありませんが、汚れやカビで黒い斑点があるものなどは避けましょう。
タオルの枚数は指定があれば、指定に従ってください。指定がない場合は、一般的には5〜6枚程度と指定されることが多いでしょう。
タオルは体型補正に必要なので、体型によって必要な枚数は異なります。ずんどう体型の方は2〜3枚で十分な場合もありますし、かなり痩せ型の場合は7枚程度使用することもあります。
また、腰パットなどの補正用品を持っている場合は、使用する分タオルの枚数を減らせますが、着付師によってはタオルで補正するという場合もありますので、必要枚数は持っていくと安心です。ただし多く準備し過ぎると、使用しなかった分は持ち帰ることになり、荷物が増えてしまうため気を付けましょう。
タオル以外にも体型補正のために使用できるものをご紹介します。
ガーゼは胴回りや胸に巻いて使用します。長さは3~5メートル程度を指定されることが多いです。持参する場合は、ロール状になっているものを用意しましょう。
ガーゼを巻く場合は締め付け感があるため、下着はワイヤーやパットの入っていないものや、スポーツブラタイプがおすすめです。余ったガーゼは胸当てに使用する場合もあります。
和装用のガーゼ晒(さらし)もありますが、伸縮性がなく、使用した時に締め付け感が強くなります。普段から着物を着慣れていない場合は、帯や紐だけでなく晒でも締め付けると辛いので、巻きガーゼの代わりに使用すると苦しいと感じるかもしれません。
タオルで補正しきれなかった細かい部分を補正するのに、脱脂綿を使用します。脱脂綿も着付師によって三角に折って使用したり、四角にして使用したりとさまざまです。脱脂綿の量も1回の着付けでそれほど使用しないので、50g程度あれば十分でしょう。
家族やまわりで使用して余ったものがあれば、それを使ってもかまいません。お店によっては販売している場合もあるので、使用した分を買い取りして使用するのもいいですね。