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お着物を着る時に巻く帯はさまざまな種類がありますが、振袖を着る時には袋帯を合わせるのが一般的です。袋帯は長さが4m以上あり、華やかな結び方をするのに適しています。フォーマル用の帯なので豪華な刺繍を施してあるものが多く、品格の高い着こなしができるのも特徴のひとつでしょう。
帯は柄の種類によっても分類されており、全通、六通、太鼓柄の3種類があります。この中でも帯全体に柄のある全通は多種多様な結び方を楽しめ、振袖のようなフォーマルな用途にも対応した帯の柄です。
振袖の帯としては、文庫結び、立て矢結び、お太鼓結びなどベーシックな結び方をするのが一般的です。結び方によって見える柄が異なるので、ベストな結び方を見つけておきましょう。
文庫結びは時代劇や大河ドラマなどでよく目にする結び方です。小さなリボンのような結び目が特徴で、江戸時代の中期、武家の女性を中心に広まりました。
練習すれば自分でも結べるようになるので、浴衣の帯を文庫結びにする方も多いのではないでしょうか。振袖以外の着物にも合わせることができ、アレンジした結び方もあるので見た目を変えられます。
立て矢結びは江戸時代の女中が締めていた帯の結び方です。文庫結びと比べると、大きめのリボンを作るので少し凛々しい印象となります。結婚式のお色直しでも立て矢結びを見ることができます。
右側が斜め下を向くように結んだ羽が、「立て矢」を背負っているように見えることで、「立て矢結び」という名が付けられました。肩からチラッとのぞく羽が大人っぽい雰囲気を演出します。
お太鼓結びはベーシックな帯の結び方の中でも歴史が浅く、江戸の末期に芸者が考案した結び方であると伝えられています。太鼓のような見た目から「お太鼓結び」と名付けられましたが、結び方はとてもシンプルで年齢問わず誰でも合わせることができます。
文庫結びや立て矢結びと比べると、おとなしい印象の結び方なので金や銀などの豪華な色の帯を選ぶのがよいでしょう。
振袖の帯にはお着物の柄を邪魔しない古典柄を選ぶのがベターです。亀甲、ひし形、雪輪、七宝など連続柄はどのようなお着物にも合わせることができます。振袖用にデザインされた帯は大きめの柄があしらわれていることもありますが、訪問着にも合わせられて重宝するでしょう。
この他にも、桜や牡丹、菊や竹などの植物がデザインされた帯も振袖の柄と合わせやすいのでおすすめです。古典柄の振袖には古典柄の帯、モダンなデザインの振袖にはモダンな柄の帯を合わせると、上手に着こなせます。
振袖に合わせる帯の色は金・銀・黒の3色を基調としたものを選ぶことで、バランスが取りやすくなります。とくに3色の中でも金や銀はどんな振袖とも調和が取れ、振袖の品格をさらに高めてくれるでしょう。
暗い色合いの振袖に合わせるのなら、黒を基調とした帯がおすすめです。とくに背の高い方が振袖を着る場合には、全体の印象を引き締める効果が期待できます。